「肩こり」は現代病とも呼ばれ、体の不調ランキングで女性1位、男性2位に上がるほど。
※「厚生労働省の国民生活基礎調査(平成28年)の性別にみた有訴者率の上位5症状(複数回答)」による。
「肩こり」の原因は何でしょうか?
そして、その解消方法・治療方法は?
肩こりに関する疑問について調べてみました。
肩こりとは?
そもそも「肩こり」とは何でしょうか?
●首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感を一括りにして肩こりという。※1
●肩の周りにある筋肉や、首を支える筋肉がこわばり、重苦しく感じるのが、肩や首のこりといわれるもの。※2
肩こりの原因
●肉体的、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによる肩周辺の筋肉の緊張と血流不足が原因。
≪日常生活から考えられる原因≫
①同じ姿勢でのデスクワーク
首や肩周辺の筋肉に緊張が続き、肩こりの症状があらわれる。
②眼精疲労
慢性的な目の筋肉の緊張や疲労が、肩こりの症状を引き起こす場合がある。
③運動不足による筋肉疲労と血行不良
筋肉の緊張や疲労が起こりやすく、肩や首筋がこる。
らに、運動不足は血行不良を招き、肩こりの発症の原因になる。
④ストレスによる緊張
筋肉を緊張させる自律神経の働きが活発になることで、肩周辺の筋肉が緊張し、肩こりが起こる。
⑤寒さによる肩の筋肉の緊張、自律神経の乱れ
筋肉が緊張し、さらに、寒さによって自律神経の乱れを引き起こす為、筋肉の緊張が強まり、肩こりの原因となる。
※1
様々な状況で起こる「筋肉の緊張」が「肩こり」の原因と言える。
●「肩こり」の原因には、(a)肩や首の筋肉に負担をかけるような姿勢を長時間続けることや(b)運動不足、(c)不規則な生活習慣による筋肉疲労により生じると言われている。
その他にも、(d)手や腕の疲労から生じるもの、(e)精神的ストレスによるものなどがある。※2
●「肩こり」の原因の1つとして首の冷えがある。
首=頚椎部分は、脳からの命令を伝える神経が多く集まっている、人間最大の急所といわれる部分。
その部分の血行不良や冷えの放置は全身に影響を及ぼし「肩こり」になる。
この首の冷えが、筋肉を硬直させてしまい、動きづらさを感じたり、肩こりによる痛みが強くなったりする。※3
●肩・首のコリは、血流が滞り筋肉が固まっているから。
普段の生活の中で同じ姿勢をとり続けると首や肩まわりの血流が滞り、筋肉が固まり、コリになる。※4
肩こりの予防方法
●肩こりの予防方法は前述の「肩こりの原因」となる要因を作らない、ということになる。
[1]体を動かして血行を良くする:前述※1③、※2(b)に対応
[2]肩や首を冷やさない:前述の※1⑤、※3に対応
[3]仕事の環境を見直す:前述の※1①②、※2(a)、※4に対応
※1
●肩を動かす体操などが肩こりの予防と改善に有効
※5
肩こりの解消方法
●対処法
1.効果的な入浴で血行を良くする
38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかる。
凝っている部分に、40~42℃の熱いシャワーと17~20℃の水を、2、3分ごとに交互にかけ、最後に熱いシャワーで締める方法もおすすめ。
2.ほど良い刺激のマッサージを受ける
する、軽く押す、もむ程度の軽い刺激に留めておく
3.市販の薬を使う
肩こりや首のこりの緩和には、鎮痛消炎成分インドメタシンやフェルビナクなどを配合した外用鎮痛消炎プラスター(貼付薬)や、イブプロフェンが配合された鎮痛消炎内服薬が効果的。
さらに、ビタミンB1、B6、B12などの有効成分を配合したビタミン剤も、体の中から効果がある。
4.病院で診察を受ける
日常生活に支障をきたすほどの肩こりや、うずくような痛みをともなう肩こりは、他の疾患が隠れている可能性がある。
※1
●肩こりの治療法
薬物療法には、飲み薬、外用薬、注射薬の3タイプがある。
◇のみ薬
肩こりの治療で使用する飲み薬には、消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、ビタミン剤、漢方薬がある。
◇外用薬
消炎鎮痛薬を配合した湿布やローション、ゲル、スプレーなどがある。
◇注射薬
注射は、筋肉へ注射するタイプと神経へ注射するタイプがある。
●運動療法
肩こりの原因が、筋肉や血管、神経などの場合に特に有効。
僧帽筋や肩甲骨のストレッチを行うなど、毎日こまめに動かすことを心がける。
※5
肩こりを伴う病気
前述の「4.」に関連しますが、一般的な「肩こり」ではなく、病気が原因で「肩こり」が生じている場合があります。
●「肩こり」を伴う疾患と主な症状
<1>四十肩、五十肩
腕を上げたり、後ろに腕を回す動作が痛みのために制限される。
<2>変形性頸椎症
首や肩、腕などに痛みやこり、しびれ
<3>更年期障害
こりや疲れ、だるさ、のぼせやほてり、イライラや不安感
<4>高血圧症
肩こりや動悸、のぼせ、息切れ。
<5>低血圧症
肩こりやだるさ、疲れ、手足が冷える、寝起きが悪い。
<6>狭心症
胸が締め付けられるような痛み、左肩にも痛み。
<7>心筋梗塞
胸や左肩に激痛が走る。
※1
●肩以外の病気で起こる肩こり
「肩こり」以外に、下記のような症状があると、他の病気のリスクが考えられる。
・体を動かすときに息切れしやすくなった⇒狭心症や心筋梗塞
・目の奥の違和感、吐き気、頭痛や、頭が重く感じる⇒脳動脈瘤
・舌に歯形がついている⇒歯列接触癖
・上まぶたが黒目の真ん中あたりまでかぶさっている⇒眼けん下垂
※5
[参照元]
※1:「肩こり/タケダ健康サイト」
https://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=katakori
※5:「肩以外の病気で起こる肩こり/NHK健康ch」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_217.html
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