「高所恐怖症」を克服する治療法は行動療法(暴露療法)が基本。
但し、実際の高所で行うと時間のロスやリスクがある。
そこで、近年行われているのがVR(バーチャルリアリティー)行動療法である。
VR行動療法は「高所恐怖症」にどの程度効果があるのでしょうか?
また、クリニックに通うことなく、自宅で出来るVRを使った「高所恐怖症」克服方法はないのでしょうか?
「高所恐怖症」とは?
高いところが苦手(怖い)=「高所恐怖症」と考えがちだが、「単に高い場所が苦手なこと」は「高所恐怖症」という。
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「高所恐怖症」と「高所恐怖癖」の違い
本来、人間は本能から15階以上の高さを「怖い」と感じるのが自然だという。
だとすれば、14階以下の高さを「怖い」と感じるなら、「高所恐怖癖」となる。
そして、さほどの高さでないにもかかわらず、恐怖を感じ、日常生活にも支障が出るケースが「高所恐怖症」だと言える。
「高所恐怖症」の症状として、震えや冷や汗、動機、息が詰まる、重度の場合はパニックになり嘔吐するといった症状が見られる。
「高所恐怖症」克服方法
「高所恐怖症」の克服には大きく2つの方法がある。
※ここでは「高所恐怖癖」も「高所恐怖症」に含めることにする。
●経験による恐怖心の克服
慣れることで克服
「高所恐怖症」の治療法は行動療法(暴露療法)が基本。
恐怖の程度が低いものから高いものへ徐々に直面し慣れていく方法。
●認知行動療法(VR行動療法)
VR(バーチャルリアリティー)行動療法は、ゴーグル型専用装置を頭に着けてCGや音声刺激を用いて仮想現実を作り出し、その恐怖の状況に慣らしていくもの。
経験による恐怖心の克服
「例えば『高い所が怖い→落ちたら死んでしまう』と考えているのであれば、『怖い、落ちたら死ぬと考えているから怖いんだな』と確認する。
でも高い所は怖いだけではなく、他の事実があることも確認してみる。高い所は空気が綺麗だ。高い所は涼しくて気持ちがいいなど、このようにいいポイントを自分の脳に刻んであげる。」
VRによる治療は「高所恐怖症」に効果があるのか?
Oxford VR
深刻な高所恐怖症は、日常生活にも支障をきたす。Oxford VRは、2時間のVR療法により、患者が抱く恐怖感を平均して68%減らすという結果を得た。
コスト面でも、臨床の観点からも、効果の高い治療が期待されている。
※参照:Oxford VRが高所恐怖症に対するVR療法の臨床試験を開始
ヴュルツブルク大学病院メンタルヘルスセンター
自宅でできるVRを使った「高所恐怖症」克服方法
行動療法(暴露療法)を受診するには、行動療法(暴露療法)を行なっているいる心療内科や神経科を受診する必要がある。
勿論、治療には費用がかかり、クリニックに通う必要がある。
自宅でできるVRを使った「高所恐怖症」克服方法はないのだろうか?
簡単に出来るのが、VRゴーグルとVRアプリを使った高所に慣れる訓練だ。
VRゴーグル
自宅で使うVRゴーグルはスマホをセットして使う簡易的なゴーグルである。PC用のVRゴーグルもある。
VRアプリ
GooglePlay(Android)やAppStore(iOS)で「VRアプリ」と検索。
検索結果の中から、高所の場面があり、評価が高い(4以上)をインストール。
【例】Android用VR無料アプリ「VR Heights Phobia」は、VRで作られたビル街の空高くに浮かんだ足場の上を渡っていく。
VRアプリの使い方
VRアプリをスタート。
VRゴーグルにスマホをセットし、頭に装着。