健康診断の結果、白血球数が少ない(3,110)ことが判明。
3年前に受けた健康診断でも白血球数が少なかった(3,060)。
3年前の健康診断の総合判定では「白血球減少症」とあり「要経過観察」の記載があった。
今回は、3年前に比べ白血球数が若干増えている。
「白血球減少症」とは何なのか?
原因や対策・治療法は?
そこで専門家(医師等)の見解を調べてみました。
白血球
白血球とは何?
血液には、白血球、赤血球、血小板という3種類の血球がいる。
白血球
体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体をやっつける働きをする。
白血球は好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球という5種類の細胞に分けられる。
●リンパ球:病原体を壊すミサイルである免疫グロブリンという蛋白をつくったり、免疫の司令官として働く。
赤血球
赤血球は酸素を運ぶ。
血小板
出血を止める。
※出典元:専門医が教える健診で受ける意味③白血球の検査について【日本臨床検査専門医会 東田修二先生】
白血球数の基準値
日本臨床検査専門医会 東田修二先生
WBC[血液1マイクロリットル(1㏄の1/1000)]に、およそ3,500~9,000個の白血球がいる。
※参照:専門医が教える健診で受ける意味③白血球の検査について
健康診断の基準値
今回の検査結果では、白血球数の基準値は3,500~9,700。
3年目の検査結果に記載せれていた白血球数の基準値は3,200~8,599。
健康診断の基準値は、度々改定される。
又、医療機関によっても異なる場合がある。
久野銀座クリニック 岡村 信良 先生
白血球の基準値は、3200~8500μl。
低い場合は2500μl以下、高い場合は9000μl以上あると異常とされている。
※出典元:白血球が少ない原因を解説!放置したら元に戻る?風邪をひきやすくなることも【久野銀座クリニック 岡村 信良 先生】
公的な発表はないのだろうか?
日本医師会
日本医師会のHPでは、白血球の臨床判断値または共用基準範囲は、3,300~8,600とある。
※参照:病気をチェック!検査データが分かる【日本医師会】
当記事は、「白血球が少ない」ケースがテーマだが、「白血球が多い」場合についても軽く触れることにする。
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センターの臨床検査基準値一覧表では、白血球の基準値は男女共に3,300~8,600。
日本医師会の白血球の臨床判断値または共用基準範囲と同じだ。
※参照:臨床検査基準値一覧表【独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター】
白血球が多い原因
日本臨床検査専門医会
●健康的な人でもヘビースモーカーは白血球が慢性的に多め。
●精神的ストレス、運動直後、月経などでも一時的に多くなることがある。
●喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がある人は好酸球が増加。
●白血球数の著しい増加や明かな分画以上がある場合には、白血病などの可能性もあるので、血液内科の受診が指示される。
※参照:前述「専門医が教える健診で受ける意味③白血球の検査について」
医師会
外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。
※参照:前述「病気をチェック!検査データが分かる」
白血球が少ない原因
●日本臨床検査専門医会
●日本医師会
●久野銀座クリニック 岡村 信良 先生
日本臨床検査専門医会
●白血球が著しく減っている、明らかな分画異常がある、少しずつ減り続けている、赤血球と血小板も減っている、のいずれかに当てはまれば、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの血液疾患の可能性があるので、血液内科の受診が指示される。
●血液疾患以外でも、肝硬変、膠原病、ビタミンB12欠乏を含む栄養不良などよって3血球(白血球、赤血球、血小板)が減ることがある。
※参照:前述「専門医が教える健診で受ける意味③白血球の検査について」
日本医師会
前述の医師会の「病気をチェック!検査データが分かる」には、白血球が多いケースしか記載が無い。
日本医師会では「白血球が少ない分は問題無い」と判断しているのであろうか?
久野銀座クリニック 岡村 信良 先生
●感染症以外にも病気で白血球が少なくなることがある。~自己免疫疾患である『全身性エリテマトーデス』『強皮症』『シェーグレン症候群』などの膠原病。
●病気以外の原因で『抗がん剤』や『筋弛緩剤』『抗生剤』『抗けいれん剤』『甲状腺』のどの薬の服用でも、白血球が減少することがある。
その場合は、原因となっている薬をやめれば、白血球の数は元に戻る。
白血球減少症とは?
3年前の健康診断では、「白血球減少症」と判定された。
「白血球減少症」とはどういう病気なのだろうか?
臨床的には、白血球増加症の場合と同様に白血球全体の数よりは、どの白血球分画の絶対数が減少しているかが問題となる。
最も多いのは好中球の減少で、細菌等に感染しやすくなるため臨床的にも重要。