「食物繊維(不溶性・水溶性)とは?」では、食物繊維の種類と各々の特徴、7つの機能について言及しました。
食物繊維は健康に重要な役割を担っています。
しかし、食物繊維はただ摂取すれば良いというものではありません。
摂り方に注意が必要です。
食物繊維の1日摂取目標
厚生労働省の「食事摂取基準」では、18~49歳の女性の理想的な食物繊維摂取量は1日に20~21g、男性は26~27gとされています。
しかし、ほとんどの日本人が、この理想値を達成できていないことから、当面の目標値として女性17g、男性は20gという数値も示されています。
食物繊維の取り過ぎに注意
食物繊維は、便のかさを増やしたり、便の水分を増加させたりする作用があるので、便秘をはじめとする腸の健康にはたいへん効果的であることは間違いありません。
ただし、取り方には注意点があります。
不溶性食物繊維は水に溶けないため、取り過ぎると便が硬くなってしまうことです。
その典型が玄米。
玄米を多く摂ると、不溶性食物繊維を多くとることになり、慢性便秘症の場合、症状を悪化させてしまうことがあります。
さらに、玄米は消化が悪いため、よくかまないでとると、玄米が未消化となって腹部膨満感をまねくこともあります。
水溶性食物繊維の含有量が比較的多いとされる海藻類、キノコ類も消化に悪い場合があるので、お腹の回復手術を受けた人は、できれば避けた方が良いでしょう。
食物繊維が多い食材を選ぶ時の注意点
いくら食物繊維が食べ物の吸収を抑えてくれるからと言って、カロリーの高い食事ばかりとっていては食物繊維の効果を活かし切れません。
その食品・食材に含まれるカロリーと食物繊維量のバランスを意識する必要があります。
そこで「100gあたりのカロリー(kcal)÷食物繊維(g)」で食品100g中のカロリーと食物繊維比率(F・I値)を計算し、この値が低いものほど、食物繊維が多くて低カロリーな食材ということになります。
食物繊維が多くて低カロリーな食材
食物繊維が多くて低カロリーな食材にはどんなものがあるのでしょうか?
F・I値は低いもので10以下、高いものでは500超のものもあります。
比較的F・I値が高い食材は穀類・麺類です。
ここではF・I値が10以下の食材をご紹介いたします。
※下記の数字は100g中に含まれる食物繊維の量(g)
◇穀類・麺類
いずれもF・I値は10超
◇野菜
ゴーヤ:2.6/モロヘイヤ:3.5/ブロッコリー:3.7/さやいんげん(茹):10
/オクラ(茹):5.2/カリフラワー(茹):3.2/春菊(茹):3.7/セロリ:10/たけのこ:3.3/青ピーマン(生):2.3/サニーレタス:2.0
◇イモ・デンプン類
板こんにゃく:2.3/しらたき:2.9
◇果実
いずれもF・I値は10超
◇きのこ類
えのきだけ(茹):4.5/きくらげ(茹):5.2/しいたけ(茹):4.7/本しめじ(生):3.3/まいたけ(茹):3.6/マッシュルーム(茹):3.3
真昆布:27.1/ところてん:0.6/寒天:1.5/もずく:1.4/わかめ(生):3.6/わかめ(乾):5.8
※参考文献:「炭水化物」を抜くと腸はダメになる (青春新書インテリジェンス)/松生 恒夫 (著)