花粉症の場合、いったん発症すると自然に治ることはほとんどなく、薬で完治させるということもできません。
花粉症のシーズンが来るたびに、薬で症状を抑える対症療法が治療の中心となります。
花粉症に効く薬にはどのようなものがあるのでしょうか?

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花粉症の薬の効果的な飲み方

効果的なのは、症状が現れる少し前から予防的に薬を飲むという方法です。
この方法だと、花粉が多く飛散している時期にも強い症状を抑えることができ、結果的に飲む薬の量も少なくて済みます。

花粉の飛散開始時期に関してはtenki.jp等で地域的な予測が発表されています。
https://www.tenki.jp/pollen/expectation.html
東北:2月下旬~3月上旬
関東甲信:2月上旬~2月下旬
北陸:2月中旬~2月下旬
東海:2月中旬~2月下旬
近畿:2月中旬
中国:2月上旬~2月中旬
四国:2月上旬
九州:2月上旬

花粉の飛散開始時期の前から薬を飲み始めるとよいでしょう。

花粉症の薬:ケミカルメディエーター遊離抑制薬

この薬は、効き目がマイルドで、症状がさほど重くない場合に使われます。

ケミカルメディエーターというのは、肥満細胞から出てくるヒスタミンやロイコトリエンという神経伝達物質で、ケミカルメディエーターが肥満細胞から離れるのを抑える為の薬という意味です。

この薬の特徴は、充分な効果が出るまでに一定の時間がかかるということです。
ゆるやかに効いてくる薬で、速攻性はありません。

しかし、この薬はくしゃみや鼻水だけでなく、鼻詰まりにも効果があることが分かっています。
また、眠気が生じることもなく、副作用はほどんどありません。

花粉症の薬:第2世代抗ヒスタミン剤

この薬は、くしゃみや鼻水などの症状に対してよく効く薬です。

ヒスタミンという物質は、花粉の刺激によって肥満細胞から放出され、神経に働きかけてくしゃみや鼻水を引き起こします。
このヒスタミンの働きを抑え、症状が出ないようにする薬です。

抗ヒスタミン剤には、第1世代と第2世代があります。
第1世代は、比較的早い段階でよく効く一方、のどの渇きや眠気といった副作用があります。
効果があっても、車の運転中などに眠くなってしまうと大変危険です。

そこで登場したのが、第2世代抗ヒスタミン剤です。
第1世代よりも鼻詰まりに効果があります。
効果が現れるまでに1~2日かかる一方で、効き目が長く続くのも主な特徴です。

花粉症の薬:受容体拮抗薬

ヒスタミンと同じように、花粉の刺激によって肥満細胞や好酸球から放出される物質に「ロイコトリエン」や「トロンボキサンA2」という物質があります。

ヒスタミンが、神経に働きかけてくしゃみや鼻水を引き起こすのに対して、「ロイコトリエン」や「トロンボキサンA2」は、鼻粘膜の血管にある受容体に働きかけて血管を広げ、鼻詰まりを引き起こします。

この受容体に、「ロイコトリエン」や「トロンボキサンA2」がくっつかないようにすることで、鼻詰まりの症状を抑えるのがこの薬の特徴です。
効果が出るまで1週間ほどかかります。

花粉症の薬:Th2サイトカイン阻害薬

この薬は、肥満細胞から出るヒスタミンなどの化学物質の作用を抑えるのとは別の方法で、アレルギー性鼻炎を改善させる薬です。

Th2サイトカインというのは、アレルギー性疾患があると増えてくる「好酸球」という細胞の栄養になるものです。

炎症のもととなる好酸球の栄養分、Th2サイトカインの働きを阻害することで、アレルギー性の炎症を抑え、つらい症状をださないようにしようというのがこの薬の特徴です。

鼻詰まりに主に効きますが、数週間以上続けて服用していると、鼻詰まり以外の症状にも効いてきます。

効果が出るまでに1~2週間かかりますが、他の薬と併用して効果を高めることもできます。

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