食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
食物繊維にはどういう特長があるのでしょうか?
食物繊維には「腸内フローラ」を保つ等の7つの機能があります。
食物繊維とは?
食物繊維とは炭水化物の一種です。
炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称のことです。
「日本食品標準成分表」によると、食物繊維は「ヒトの消化酵素では消化されない食品中の難消化成分の総体」と定義されています。
カニの甲羅やエビの殻などの成分(キチン)などの動物性食品も一部ありますが、大部分は植物性食品です。
食物繊維には、大きく分けて、2つの種類があります。
水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維とは?
不溶性食物繊維は穀類やイモ類、豆類、根菜類に比較的多い。
他にキチン・キトサン(カニの甲羅やエビの殻などに含まれる)など。
●特長1:保水性が高い
胃や腸で水分を吸収して大きくふくらむので腸を刺激しえぜん動運動を活発にして排便を促す。
●特長2:硬くて食べづらいものがある
対策:よくかんで食べることで、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ。
●特長3:大腸内で発酵する
大腸内で発酵すると善玉菌が増加し、大腸の環境がよくなる。
ただし、発酵性は水溶性食物繊維より小さい。
水溶性食物繊維とは?
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維。
ペクチン(りんごやバナナ、柑橘類に多い)、アルギン酸(昆布、わかめなどの海藻類に多い)など。
●特長1:ネバネバしている
水に溶けてゲル状となり、食べ物を包み込み、ゆっくり消化吸収されるため、腹持ちがよくなる。また、血糖値の急激な上昇を抑える。
●特長2:吸着性がある
コレステロールを吸着して、便と一緒に排出する為、コレステロール値の増加を抑制する。
●特長3:大腸内で発酵する
大腸内で発酵すると、善玉菌が増加する為、大腸の環境がよくなる。
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食物繊維の7つの機能
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、どちらか一方だけでいいということではなくて、それぞれをバランスよく摂るのがポイントです。
食物繊維には「腸内フローラ」を保つ等の7つの機能があります。
①排便力増加
1970年のバーキット博士の論文(「消化されたあとのカスが長く大腸にとどまってなかなか排泄されず、結果として大腸がんなどの病気になりやすい」)が有名です。
②腸内環境改善作用
食物繊維の一部は乳酸菌やビフィズス菌の栄養成分となり、これらの菌を増殖させた後に、酪酸などの有機酸となります。
このことにより、善玉菌が増加し、悪玉菌が減少することで、腸内フローラのバランスが保たれ、結果駅に腸内環境がよくなります。
③過食抑制効果
胃内に食物繊維が移行すると膨張して、膨満感を生むため、過食を抑制します。
④血糖値上昇抑制効果
空腸(小腸の一部)でのグルコース(ブドウ糖)吸収を抑制します。
⑤胆汁酸吸着能
食物繊維が胆汁酸再吸収を抑制して、便として排泄する効果があるため、コレステロールの吸収を抑えます。
⑥吸着作用
ある種の老廃物を付着させて排泄させる作用があります。
⑦免疫活性化作用
最近、大麦に含まれる水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンの免疫細胞活性化が動物実験から明らかになりました。
※参考文献:「炭水化物」を抜くと腸はダメになる (青春新書インテリジェンス)/松生 恒夫 (著)