冷え性(冷え症)の原因は様々です。
冷え性(冷え症)には複数タイプ(種類)があり、自分がどのタイプ(種類)であるかを知ること大切です。
何故なら、冷え性(冷え症)のタイプ(種類)によって摂るべき対策・改善方法が異なるからです。
冷え性(冷え症)のとらえ方は西洋医学と東洋医学では異なり、また、治療方法も異なります。
ここでは、西洋医学及び東洋医学の専門家の見解をまとめてみました。
※一部の医師の見解ですが、代表的な見解と言えるでしょう。

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「冷え性」とは?

「ひえしょう」の漢字表記には「冷え“性”」と「冷え“症”」の2種類があります。
「冷え”性”」と「冷え”症”」の違いは何でしょうか?

冷え性靴下

「冷え”性”」と「冷え”症”」の違い

●西洋医学:冷え”性”
検査で明らかな異常が認めらないにの関わらず、「手足が冷える」「続々と寒い」などの冷え症状がある場合。
西洋医学では、明らかな原因の無い冷えは、一般的に「冷え症」体質として扱われる。

●東洋医学:冷え”症”
漢方では、冷えの自覚症状があれば立派な治療対象なので、冷えを「冷え症」といい、治療方法が色々と研究されている。⇒漢方薬、ツボ等

※出典元: “冷え性”と“冷え症”の違いとは?【監修:木村 容子 先生/東京女子医科大学附属東洋医学研究所 所長 教授】

以上の記述から、西洋医学の医師は、「冷え性」と言い、東洋医学の関係者は「冷え症」という認識かと思いきや、西洋医学の医師も「冷え症」という言葉を使う事もあり、明確に使い分けされているわけではないようだ。
※当記事では、出典元の記述に従っています。

冷え性の症状

冷え症外来【横浜血管クリニック】

こんな自覚症状はありませんか?
もし持っているなら、冷え症の可能性があります!

●寒いわけでもないのに手足が冷たい。
●布団に入っても手足が冷えて眠れない。
●お風呂に入ってもすぐに手足が冷えてしまう。
●厚着をしても体が冷える。
●便秘や下痢になりやすい。
●何をしても痩せない。

※出典元:冷え症外来【横浜血管クリニック】

金沢医科大学病院~総合診療センター 漢方外来担当 守屋純二氏

冷え性は手足の冷えだけが症状だけでなく、以下の症状を併発したり、他の病気の悪化原因となることがある。

●冷え性の症状で多いのが、「腰痛・関節痛」などの痛みを併発するタイプ。
●慢性の方になると「夏でも厳しい手足の冷え、末梢の痺れ」という訴えも多い。
●「生理痛・月経不順」も冷えによって悪化。
●「肩こり・肌荒れ・めまい・イライラ」これらも冷え性が原因の場合が多い。
●「食欲不振・下痢・便秘」胃腸関係の症状も、冷え性によって悪化。

※出典元:冷え症の漢方治療【金沢医科大学病院~総合診療センター 漢方外来担当 守屋純二】

冷え症のタイプ

冷え症のタイプ(種類)によって改善方法や対策が違う。
従って、自分の冷え症(冷え性)がどのタイプ(種類)かを知ることは大切だ。
※複数のタイプ(種類)が合わさった複合型もあります。

冷え症外来【横浜血管クリニック】

「冷え症」のタイプ

●末端が冷えるタイプ
●下半身が冷えるタイプ
骨盤の歪みが原因である場合が多い。
●内臓が冷えるタイプ

体質別「冷え症」

●自律神経失調体質
ほとんどの方が、この自律神経失調体質に当てはまる可能性あり。
●鉄分不足体質
女性がなりがち。
●ホルモン不規則体質
女性に多く関係する。ダイエットなどの食事を極端に減らすことにより、鉄分不足になる。
特に更年期を迎える女性に多い症状。

※出典元:冷え症外来【横浜血管クリニック】

北里大学東洋医学総合研究所客員教授の伊藤剛氏

NHK健康chでは、日本の冷え症治療の第一人者である北里大学東洋医学総合研究所客員教授の伊藤剛氏が編み出した、冷え症の「タイプ別対策法」を紹介している。

伊藤剛氏は冷え症のタイプは主に以下の4つ*に分かれるという。

●下半身型:腰から下が冷える
●四肢末端型:手足足先が冷える
●内臓型:お腹が冷える
●全身型:全身が冷える

冷え症タイプ東洋医学
※上記の他、各タイプの症状が組み合わさった混合型がある。

※出典元:正しく知る「冷え症対策」4つのタイプ別セルフチェックと簡単ケア【NHK健康ch】

金沢医科大学病院~総合診療センター 漢方外来担当 守屋純二氏

【冷え症の漢方的分類】
●手・足の冷え症・冷え性(末梢循環不全症)
よく経験される。
●手指・つま先に冷え/のぼせ
「のぼせ・冷え」とも言えわれる。
●腰から下の冷え症(冷え性)
手の冷えは無いことも多く、つま先の冷えよりは腰~大腿(ふともも)の冷えが気になる。
●腹部の冷え症(冷え性)
消化機能低下に加えて婦人科疾患(月経不順・月経痛・不妊症)でもみられる。
※出典元:冷え症の漢方治療【金沢医科大学病院~総合診療センター 漢方外来担当 守屋純二】

冷え性の原因

冷え性(冷え症)の原因は様々。
以下の記事が、よくまとまっていて分かりやすい。

冷え症外来【横浜血管クリニック】

冷え症とは、血液の流れが悪いため毛細血管へ温かい血液が流れず、血管が収縮し、そのために手足などが冷えてしまう状態のこと。

主な原因とし以下のものが考えられる。

●運動不足
●女性
●食生活の乱れ
●自律神経の乱れ
●喫煙
●便秘

男性より女性に冷え症が多い原因

男性より女性に冷え症が多い原因として以下のものが考えられる。

●筋肉量が少なく脂肪が多い⇒熱を作る力が弱い
●子宮や卵巣などの臓器と月経がある⇒腹部の血流が悪くなる
●薄着や衣類のしめつけ⇒血流が悪くなる

男性の冷え症の原因

男性も加齢によって筋肉量の低下、臓器機能の衰えなどにより熱を発することが出来なくなり冷えを感じる。

高齢の男性では頻尿の原因にも。

※出典元:冷え症外来【横浜血管クリニック】

「冷え性」「冷え症」改善方法

冷え症のタイプ(種類)によって改善方法や対策が違う。

横浜血管クリニック

●入浴・半身浴
38℃~40℃くらいのぬるめのお湯に入浴。
●適度な運動
血液の流れを良くする為には新陳代謝を促進すること。新陳代謝を促進するのに最も効果があるのが運動。
●食べ物
身体を温める「陽性」の食べ物を取り入れる。⇒生姜、ネギ、にんにく、ごぼうなどの根菜類。寒い土地で採れる野菜に多い。シトルリンを豊富に含むスイカの皮。胡麻、黒豆、あずきなどの黒い物。
※但し、陽性の食べ物だけを食べるのではなく。バランスが大事。
●その他
・朝一番に白湯を飲む
・指先マッサージ
・腹式呼吸
※出典元:冷え症外来【横浜血管クリニック】

北里大学東洋医学総合研究所客員教授の伊藤剛氏

前述の伊藤剛氏は、冷え症のタイプは主に4つに分かれるとし、各々の改善法を紹介している。
※出典元:正しく知る「冷え症対策」4つのタイプ別セルフチェックと簡単ケア【NHK健康ch】←図解・写真入り

●下半身型:腰から下が冷える
⇒ツボ押し:お尻の筋肉のツボ「臀中(でんちゅう)」
●四肢末端型:手足足先が冷える
⇒ストレッチ:足先のツボ「八風(はちふう)」のストレッチ
●内臓型:お腹が冷える
⇒温める:お腹のツボ「中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばら)みの灸点」を携帯カイロなどで温める。
●全身型:全身が冷える
改善方法は紹介されていない。
「甲状腺の病気などが潜んでいる可能性もあるので、医療機関で検査が必要。」とのこと。

金沢医科大学病院~総合診療センター 漢方外来担当 守屋純二氏

【冷え症(冷え性)の漢方治療】
●全身冷え症
「気(生体エネルギー)」の不足「気虚」⇒人参湯真武湯
●末梢循環障害
気分の塞がった抑鬱感「気鬱」や過緊張「気逆」 気の巡りの不調⇒苓桂朮甘湯のように気を巡らせる働きのある桂皮が含まれる処方
●手足の冷えの強く、血行障害を伴っていることが多いタイプ
微小循環を改善する処方“駆お血剤”
※むくみ傾向のある方には当帰芍薬散、皮膚のかさつきのある方には四物湯温経湯などがよく用いられる。

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